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黒色の草履   

2009年 07月 07日

今回は草履のお話です。
ずいぶん前ですが、一度草履を誂えた時の記事を書いたことがあります。


その時に、黒の草履はかかとを高くしたい私には合わせにくい、ということを
書きました。なぜなら、私は薄い色の着物を着ることが圧倒的に多いから
です。(詳しくは、前回の記事をお読みください^^)


ですが、昨日の記事の「夏着物」にもありましたように、夏着物だけは、
濃い色の着物を着ることが多いのです。


それで、その時用に黒の草履を誂えちゃいました
それが、こちら♪
黒色の草履_a0091907_217483.jpg

これは、通年使える草履ですが、すこしだけ夏っぽくも見える、糸を編んだような
デザインの鼻緒を選びました。

黒色の草履_a0091907_218352.jpg

また、真っ黒にするにはイメージが重くなりそうで、抵抗があったので
周囲だけ黒色で、上面は白にしてもらいました。



「どうせ、足を入れたら白なんて見えないじゃない」 と思われそうですが、
上から見るのはもちろん。
黒色の草履_a0091907_2191592.jpg



後ろから見ても、上面の白色が見えるんですね。 この少しのことが、黒の重さ
を軽くしてくれます♪
黒色の草履_a0091907_2193927.jpg



せっかくだから、先ツボにもこだわってみました^^。
黒色の草履_a0091907_2110612.jpg

朱色の先ツボが横から見ると、三角形のように見えるの、わかります?
              (※普通は上から縦にまっすぐです)
こういう先ツボを、こちらのお店では「矢羽根」というんですって。
こうすると普通の先ツボにするより、かわいらしく華やかになりました♪



なーーーんて、さも自分でデザインしたかのようなことを書きましたが、
お店に入ったすぐの私は、こんなでした・・・。


「夏の濃い色の着物用!」と決めたのに。

「いやいや、冬用の着物にも黒色をもってるぞ。」 と、思い変える。

      ・・・結果、夏用の素材で洒落に走りきった草履にしようと、台を
      いくつかだしてもらっていたのに、やっぱりやめる。
      (その間15分くらい経過--;)


「黒色の草履を作る!」 と決めてきたのに。

「いやいや、やっぱり重く見えるし、すっきりしないなぁ。黒は好みじゃないのよねぇ。」 
   と、根本から覆すようなことを、思い始める。


ねっ! ダメダメのグズグズ ですよね??
私だったら、こんなお客さんの相手はイライラしちゃうかもしれません★


なのに、お相手くださった店員さんはおだやかにお付き合いくださるの。
それどころか、「黒色はどうかな?」と言い始めた私に、

「でしたら、この周りだけ黒にして、表面は白になさったら?」と。



白地の表面に白の鼻緒を選んで、
「大好きな取り合わせだけど、こんなの前に作りましたよね。」と言う私に、

「でしたら、先ツボを矢羽根にもできますよ」


と、とっても的確かつ、私の好みも分かった上でのアドバイス。 
(このお店で誂えたことが何度かあるから、好みをご存知なのかもしれませんが)
ちゃっかりそれに乗っかって、この草履が出来上がったのでした(笑)


さてさて、気になりますでしょ?このお店。

こちらは京都の「ない藤」さんです。ここまでフルオーダーできる草履屋
さんて、他にはあまりないんじゃないかしら?
ほんと、どんな相談(わがまま)にも応じてくださいます!


見た目のデザインだけではなく、足にとってもに優しいのです♪
足のサイズ、横幅を測定して、合わせて台を作ってくれます。
(その為、出来上がりまで1か月~2か月程かかります)

さすがに、待っただけのことはあります。
履き慣れるまで痛い、とか、履いていて疲れる、ということが
ないのです。

なんでも、こちらの職人さんはお客さんの顔を見ただけで、足の形が
わかるとか☆


一度こちらの草履を知ってしまうと、離れられなくなります。

店員さんも優しい、足にも優しい、けどお財布には優しくないのが
辛いところですけどね^^;



「祇園 ない藤」
京都市東山区祇園縄手四条下ル二丁目
TEL&FAX (075) 541-7110


H・P http://gion-naitou.com/
 

by t0k0san | 2009-07-07 00:13 | 着物

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